国産ワインコンクールの審査会が行われたのですが、
そのうち21日行われた本審査に行って来ました。
といっても私が審査員になれるわけでもなく、
プレスの資格で取材ということになります。
会場内で写真を撮れる時間が決まっており、
今年は13:00〜13:40の40分間。
30分前くらいに会場に到着、受付を済ませます。

首に掛けているのはPRESSと書かれたカード。
手に持っているのは「報道関係者配布資料」です。
従来、この審査会は3日かけて行われていましたが、
経費節減のためか、今年は2日間。
審査員の方々にはかなりハードなスケジュールだと思います。
今年の出品数は717本、98ワイナリー、23道府県、
昨年が690本、104ワイナリー25道府県でしたから、
出品本数が増え、ワイナリー数が減っています。
審査方法等は、
・一次審査と本審査に分けて実施(それぞれ20点満点で採点)
・一次審査において、12点を得たワインを本審査で審査
(ただし、通過数が各部門エントリー数の50%を超えた場合は、足切りを行う)
・審査は、一次・本審査とも4グループに分けて審査
・得点の平均点が17.5点以上を「金賞」、15.5点以上を「銀賞」、
13.5点以上を「銅賞」、12.0点以上を「奨励賞」、
・当該部門の中で、最高点を「部門最高賞」
(ただし、最高点が13.5点未満または当該部門への出品点数が
5未満の場合は該当なし)
となっています。
今年の審査員は下記の方々。
A、B、C、Dの4グループの分かれて審査が行われています。
Aグループ
伊藤 和秀 葡萄酒技術研究会エノログ部会役員
Ned Goodwin マスターオブワイン グローバルダイニング ワインディレクター
阿部 誠 (有)M.I.A.代表取締役
古川 準三 道産ワイン懇談会代表 北海道ワイン取締役製造部長
高田 清文 山梨県ワイン酒造組合代表 登美の丘ワイナリー所長
森 健太郎
Bグループ
藤野 勝久 日本ワイナリー協会参与
岡 昌治 日本ソムリエ協会会長
小笠原 結花 トゥーシェ取締役
大浦 宏夫 山梨県ワイン酒造組合代表 大浦ぶどう酒専務取締役
曽我 彰彦 長野県ワイン協会代表 小布施ワイナリー栽培醸造責任者
笹田 武志 ふらのワイン
Cグループ
後藤 奈美 酒類総合研究所醸造技術基礎研究部門部門長
Gilles de Revel ボルドー大学醸造学部教授
島崎 大 葡萄酒技術研究会エノログ部会部会員
横山 広信 山形県ワイン酒造組合推薦消費者代表 小島洋酒店山形支店
遠藤 雅之 長野県ワイン協会代表 ぶどうの郷山辺醸造課長醸造責任者
野沢 たかひこ 山梨ワイン
Dグループ
三澤 茂計 山梨県ワイン酒造組合代表 中央葡萄酒代表取締役
北山 賀隆 東京国税局鑑定指導室鑑定官
中本 聡文 日本ソムリエ協会代表 ロオジェシェフソムリエ
横森 洋一 葡萄酒技術研究会エノログ部会
大床 敏風 道産ワイン懇談会推薦消費者代表 ピースポート
小山田 幸紀 ルミエール
各グループ6名のうち、一番上の方が審査員長、
一番下の方がインターン審査員で、将来の審査員。
審査員名簿には名前が載っていません。
インターン審査員の制度は今年から採用されたようです。

それぞれのグループのテーブル配置はこのようなコの字型。
一番奥に審査員長と実行委員(審査員ではありません)が座り、
その前の両側に審査員が二人ずつ、
そして向かって一番左手前にインターン審査員が座ります。
コンクールに出品されたワインは
審査員に配られる前は

このように準備されています。
これだけの距離があればどのワインがどのボトルに入っていたかも
審査員からもわかりません。

こちらが審査員が得点等を書き込む採点用紙。
タイトルで甲州中口、甘口と書いてあります。
左側に該当ワインの番号(6つ)が書いてあり、
その右側に色(3点)、香り(5点)、味(8点)、ハーモニー(4点)で
20点満点で点数をつけるようになっています。
表の上右側には署名をする欄も。

これらはサービス用のテーブルに置かれた
次の審査対象ワインを入れるためのグラス。
左のトレイのグラスには次の審査の7番目のワインが注がれます。
左上の紙には審査員のどの位置に置くかも書かれており、
間違えがないようにとの配慮が感じられます。

審査用のワインの準備の様子。
まず最初にグラスに対象ワインを100ccくらい注ぎ、
グラスを回してグラスの内側を洗い(リンスし)、
万が一にも前のワインや、その他の香りが残らないようにします。
このワインは洗い終わると次のグラスに移し、
全てのグラスで同じ作業を行います。

その作業が終わると
ようやく審査用のワインを全てのグラスに注いで行きます。

サービス用テーブルに置かれた「本審査サーブ表」。
ここにも間違えが起こらないようにとの配慮が行われています。

次の審査を待つワイン。

1回の審査が終わると直ちにグラスが片付けられ、
次の審査用のワインが審査員にサービスされます。
国産ワインコンクールは山梨県が主体となって行っているので、
山梨県のワイナリーにはボランティアの要請があります。
その中でも一番大変なのがグラス拭き作業。
今年で言えば717本のワインを20名の審査員、5名の実行委員、
5名のインターン審査員が見るわけですから、
使うグラスの数が半端ではありません。
聞いたところによれば、118ラック、4268個のグラスが使われているそうで
洗浄はホテルの洗浄器を使うのだそうですが拭くのは全て手作業。
それも1日でこのグラスのほとんどを使ってしまうので、
拭く作業はほぼこの2倍になるのだそうです。
他にも進行係り、ブショネ対応、抜栓班、サーブ班、撤去班などがあり、
これをワイナリーからのボランティア、県の職員の方々が担当。

会場では麻屋葡萄酒の雨宮さん、五味葡萄酒の渡辺さん、
そして写真には写っていませんが
シャトー・メルシャンの斉藤ジェネラル・マネージャーのお顔も。
本当にご苦労様です。
さて、審査ですが各審査員がまず自分でそれぞれの点数をつけ、
審査員長がそれぞれの審査員から順番に点数と評価を聞いていきます。
そして最後に審査員長がそれぞれの審査員の点数を考慮しながら、
最終的な点数を各審査員の同意を得ながら決めているように見えました。
審査員の点数や評価を横で聞いていると
点数が甘い審査員、辛い審査員がいます。
それぞれのお話を聞くとどちらも納得できる内容。
審査員長の力量が審査結果に大きく左右するように感じられました。
ただ、この決め方は、私が観察して感じられたものであり、
実際は各審査員の点数の平均点で決まっているのかも知れません。
声を拾うことが出来ませんでしたが
動画を撮りましたのでリンクを張っておきます。
審査結果は8月2日(火)10:00に発表、
公式ホームページでも17:00頃公開になります。
結果を見るのが楽しみですね。
▲ by bacchusmarket | 2011-07-25 06:07 | コラム